私だけの看護師さん

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私にはとっておきの看護師さんが2人います。どちらも10歳以上年上の女性で、幼いころから私のことを知ってくれているお姉さん、Tさんと、Iさんです。本業は看護師ではありませんが、私にとっては、これ以上ない看護師さんです。
私は基本、ポーカーフェイスで、自分のことを人に相談することはほとんどないのですが、そのお2人は、そういう私の性質をよく知っているので、先回りして相談にのってくれます。また、私がうつ病になったときも、変わらず、関わり続けてくれました。このことには本当に感謝しています。私だったら、きっとそこまで面倒は見られないと思います。
Tさんは、私が入院することになったとき、ご自分の入院の経験を生かして、準備するものなどいろいろと教えてくれました。そして、「病院では火は使えないから」と、オイル吸い上げ式のアロマをくださったり、「水をいちいちあげるのは面倒だろうから」と、造花のかわいいブーケをくださったり、ハーブティーのティーバッグを何種類もたくさんくださったり。「寒いと気分が落ち込むから」と、カイロを袋いっぱいに詰め込んでくださったり。
「かゆいところに手が届く」というのはこういうことなんだろうなと思いました。退院後も超忙しい仕事の合間をぬって自宅に来てくれて、お茶しながらいろんな話をしました。
Iさんも、私のことをいつも気にかけてくださってます。「ふさぎこんでもいいことはない」と、いろんなところに連れて行ってくれます。隠れ家的カフェやカラオケ、近くの山へのトレッキングや、海の良く見える港などなど。
このお2人だと、私は何でも話してしまいます。でも、そんな存在が2人もいるなんて、幸せ者だなあと思っています。「何でも相談できる人を1人でも作ろう」とはよく聞きますが、私には2人もいます。病気でひきこもっても、変わらず声をかけてくださって、嫌なときには「嫌だ」といえる環境も作ってくださっています(私が「嫌だ」と言えない性格だということもよく知ってくださっているので…)。
なので、私は、うつ病になっても孤独ではありませんでした。もちろん家族もいましたが、家族には言えないことだってあるし、かえって気を遣うこともよくあります。だからこそ、気を遣うのに疲れて入院したのですが。そんな私を救ってくれたお2人は、まさに私の専門の看護師さんと言っても過言ではありません。
このおふたりにも、恩返しをしなければと思っていますが、このおふたりのような人間にならなければいけないなあとも思っています。看護師の資格を持っていなくても、いい形で人を励ませる人になりたいなと思います。